股関節の痛み
短下肢にインソールは必要か？
人は目、耳、筋肉、関節などで集められた
情報を元にバランスをとっていますが、
その中でも重要なバランスの役割をして
いるのが目です。
目をツブッテ片足立ちをするのと
目を開けて片足立ちをするのを比べれば、
その差がわかると思います。
人は立位、座位では両目を水平に保とうとします。
上の図は両目の水平ラインと
歪みの関係を簡易的に書いたものです。
インソールをむやみに入れてしまうと
どうなってしまうのか？
を説明しますね。
例えば、生活習慣で背骨に歪みができたとします。（図B）
そうすると頭の位置も変わるので
目の水平ラインも変わります。
このような状態では歩きにくいので、
これを補正する必要がでてきます。
簡易的ですが、ここでは補正の為に
右脚が短くなって、バランスをとったとします。（図Ｃ）
右脚が短くなるには、色々ありますが
※「短下肢の要因」下記参照。
補正の為に骨盤が歪んで、
脚の長さが変わってしまったとします。（図C）
ここでインソールの話になりますが、
こういう状況で、ただ右脚が短いから
右の踵の下にインソールを使って脚の長さを
そろえたらどうなるでしょう？
図Ｄを見てほしいのですが、
体が左に傾きます。
歪みが治るんじゃないの？
と思うかもしれませんが、
歪みは簡単にとれるものではありません。
ここはちょっと専門的な話になりますが
背骨に右の側湾がある人に、
右に側屈をしてもらっても、
右の側湾をキープした状態で
側屈するだけです。
歪みとは、骨格が歪んだ状態で
固定されています。
かといってこの側湾が治らないという
話ではないので心配しないでくださいね。
側湾は手技での矯正や
歪みがひどい方は手術を選んでもらう事もあります。
注意：当院では手術はできません。
話しを戻して、
図Ｄのようにインソールを
右の踵の下に置いた為に、
また、目の水平ラインが変ると、
これを補正する必要がでてきてしまいます。
もし、その補正が背骨で行われてしまったら？
図Ｅのように、
余計にひどく背骨が曲がってしまいます。
補正は、なにも骨盤の歪み、
背骨の歪みだけではありません。
脚の長さが変わる要因として以下の事が考えられます。
「短下肢の要因」
①骨盤の歪み
②背骨が歪みを補正する為の骨盤の歪み
③大腿骨頭または、骨頚の変形 下記参考
http://www004.upp.so-net.ne.jp/take-dr/biomechanics/biomechanics.htm
④膝の変形（半月板の磨り減り）や歪み（Ｘ脚、Ｏ脚）
⑤足関節の内反
⑥足、膝、股関節の軟骨の減少など
ここでは、補正を背骨のみで説明していますが
補正の材料は、この「短下肢の要因」で行われます。
この補正が骨格の歪みならいいですが、
③、④、⑥のように骨の変形や
軟骨の減少で補正されたなら大変です。
もし、インソールを使うのであれば
レントゲンを使ってきちんと正しく
骨の長さを測定してくれるところ。
または、こまめに通院する覚悟のある人、できる人。
それは、痛みを感じたらいい影響か
悪い影響かを判断する必要があるからです。
インソールを使って痛みが強く感じたら、
インソールをお願いしたところに
必ず相談をしてください。
また、インソールを使う前に、
短下肢の要因をできるだけ減らした後に
インソールを入れる事をオススメします。
インソールが必要な方というのは、
解剖学的短下肢の方だけです。
解剖学的短下肢、機能的短下肢 以下参考
http://www.kyoto-chiropractic.com/taiken_fujiwara.htm
機能的短下肢の方にインソールを使うと
上に書いたように
どう補正効果がでるかがわかりません。
解剖学的短下肢の検査は手技での検査法もありますが
レントゲンほど正確ではないので、
レントゲンをとらずにインソールを使うのであれば
まめな通院が必要になります。
ベストな方法は、まめに通院し
骨格を矯正しながら、インソールを使っていく事を
オススメします。
また、解剖学的短下肢の方なら
手術で骨を長くするという方法もあります。
